面接時点での確認項目

Q1:大学院での研究課題について、学会での評価はいかがでしたか?

A1:国際学会XXで発表し、成果に関して良い評価をしていただきました。

Q2:その研究で、あなたが苦労した点はどのようなところですか?

A2:先行研究のXXでは、XX項目を無視していましたが、XXの状況ではその項目を無視してはいけないと考えて、追加してシミュレータを構築しました。この改造では、発散する部分が多く、全体の構造を見直すことになりました。収束までに3か月かかりました。

Q2′:研究において体力の限界までの苦労などされましたか?

A2′:そうなんです。しかし学部の卒論時にも苦労しましたから、頑張るコツのようなものは身についたと思います。

Q3:そのアイデアは、あなたが思いついたのですか?

A3:先生のヒントもありましたが、思いついたのは私です。基本原理のXXまで立ち返って考えると、XX項目の影響を無視することはできないと考えて、追加しました。

Q4:あなたの考えが正しいと言うことは、どのようにして証明しましたか?

A4:シミュレーションだけなので、絶対的に正しいとは言い切ることは難しいです。しかしながら、この項がない場合の結果と、追加した結果のデータの比較では、追加した方が他の実験データとの整合性はよかったです。また、シミュレーションの精度を上げて実験しましたが、結果は同じでした。従ってこの答えは、安定したものと考えます。

 

Q5:院生時代の成果については解りましたが、学部の時代の研究はどうしましたか?

A5:学部の時は、先輩の研究を理解し、先生や指導してくれた院生の指示に従ってシミュレータを構築しました。少しは自分の工夫を入れましたが、先輩たちの言っていることを理解するのが大変でした。これで研究の方法などを学んだと思います。

Q6:ここまでされた研究へのこだわりはありますか?

A6:少しはありますが、この研究は大学で私より研究に向いている人たちの手で続けるべきと思います。今の研究室で、十分進むでしょう。私は、ここまでで身に着けた力を、他の分野でも試してみたいと思います。

 

解説

Q1の狙い 狭い範囲での『お山の大将』になっていないかを確認している。会社の仕事は、世界を相手としている。例えばGEやシーメンスなど、世界のトップメーカーとの競争入札なども十分起こり得る。そのためには、世界のトップレベルとの、絶対的な評価に耐えないといけない。自分たちの身内だけの褒め合い学界ではなく、国際的なレベルで勝負したと言うことは、仕事の上でも泣き言を言わずに、トップレベルの結果を追求してくれると期待できる。

(裏話)実は、一部大学の出身者は、「世界のトップと戦え」と言うと、「パワハラ、学校による差別」と言い出す。特に、学会の地方支部での発表等で、大きな成果と言い、「これで褒めない会社がおかしい」と言う者もいた。自分がトップになるような易しい課題を与えない会社が悪い、と言う論法である。

Q2の狙い 体力の限界までの苦労した経験は、今後とも生きる。特に、苦労から逃げる癖や、体が防御して逃げた経験がないことが望ましい。またQ3の伏線でもある。

Q3の狙い 自分で考えることをどこまでしたかを知りたい。自力で、基本原理から応用まで検討した経験は、他の分野でも必ず役に立つ。これが、「先生の言うとおりに実行しました。『XX知恵袋』に相談しました。」では、院卒の値打ちがない。

Q4の狙い 自分の正しさを、自分で評価できるならば、今後とも仕事を自主的に進める可能性が高い。評価を他人に任せるようならば、今後の成長も難しくなる。

Q5の狙い これは逆に、謙虚に先輩の成果を学ぶという性格を見ている。協調性やコミュニケーション力、理解力を評価している。

Q6の狙い ここまで有能なら最後になって、博士課程後期に進学したいと言わないか、頭の固さを合わせて確認している。

以上