若い人たちの多くは、文書作成を苦手としている。これは今に始まったことではない。少なくとも私が会社に入った三十数年前から、若い者の文書はダメとよく言われていた。そして私自身もそれを実感していた。
そして、今になって思うと、その原因の一つは、形式を知らないからだと思う。そこで世の中を見直してみた。確かにいろいろな文書には、それなりの形式がある。例えば論文には、色々な作法と形がある。このような形式に当てはめることで、考え方を整理しまとめるが、進めやすくなる。
特に会社生活では、「QCサークル活動」が、このような文書作成に、役立つと思う。
QCストーリーは以下の形である。
- テーマ選定:問題点の明確化
- 現状の把握と目標の設定
- 活動計画の作成
- 要因の解析:原因と結果の関係を明らかにし真因を追求する
- 対策の検討と実施:種々のアイデアを検討する
- 効果の確認
- 標準化と管理の定着:規則などで歯止めを行う
このような形でまとめることで、検討書などを作るときも、書きやすくなる。また、QCサークル活動では、色々な立場の人が参加するので、種々の見方で議論する。その中で、矛盾する要求を解決することで、協創関係が成立し、新しいものが育つようになる。
これを応用して、自分一人でも複数の見方をしながら検討し、矛盾した要求に対して、広い観点から答えを出す訓練を行うことは、今後の成長に役立つと思う。