面接時のプレゼンテーションについて

就活の面接では、一番最初に

「志望動機を3分で説明してください」

などと言われることが多くあります。このような、プレゼンテーションでは、内容が論理的にしっかりしていることも大切ですが、全体構成をしっかり考えることが大切です。全体像を最初に述べて、重要事項を先に話して、そのあと補足する形で話すと、

「この人は物事がよくわかっている」

と高い評価を得ることができます。

大きな考え方は、まず概要を求めて言います。例えば、

「私が御社を志望した理由は、大きく分けて3つあります。
1は~~、2は~~、3は~~です。」

そして、各部の細部を話していきます。

「それでは、1に関してもう少し説明させていただきます。~~」

ここで大切なのは、説明する順番に説明者の想いが入っていると、聴く側が思う可能性を考えることです。但し、関連する事項を近接することは、聞き手への配慮としてあり得ますが、最初に言うことの優先度が高いととられることが多いです。

そして、個々の事項の説明では、対話の項で示したように、次の手順を使うことが良いでしょう。

「まず結論は~~です。これは一般的には~~だからです。そして、私の経験した~~がそれを裏付けています。(例えば~~のようなものです。)」

このように、結論 → 一般論 → 具体的経験 → 例え話として別の事例、の順で話を展開すれば、聞き手の納得を得やすいでしょう。特に一般論と具体例の両面を説明することで、理論と現実の両面を理解していて、知識の使い方を知っていると、頭の良さを示すことができます。

またプレゼンテーションでは、時間制限があります。どうしても切迫した時には、優先度に応じて話を省略しないといけません。ここで優先度をしっかり意識していれば、適切な選択ができます。このような、話題選択の柔軟性なども評価項目です。

なお、この様なプレゼンテーションでも、個別の内容より、個人の姿勢を評価する場合も少なからずあります。就職の面接なら、仕事にかける熱意や責任観等の姿勢を見ることも多くあります。社員登用試験では、会社への忠誠心と頭の良さが一つの尺度になります。さらに、個別の事項より、全体的な状況把握を見ることもあります。日本語の特性である、高文脈依存の世界では、前提事項の共有が重要です。全体像を持っているかいないか、これはプレゼンテーションの解りやすさや、バランスの良い説明をしているか等で推察できます。

このようなプレゼンテーションの準備として、一度原稿を書いておくことは有効です。量的には、原稿用紙の設定で300文字を1分として考えます。そして、その原稿に対して、感情をこめて読み上げてみます。こうすると自然と記憶できるようになってきます。ただし、実際のプレゼン時には、時間の関係で省略すること、逆に余った時間を埋める補充の話も準備したら、かなり自信を持って対応できます。なお、面接前には、どれほど時間があるかわからないので、5分の時と3分の時の両方を準備しておきます。これは、優先度をつけて、話を絞る練習としても効果があります。このような訓練も良いと思います。