論理的な対話の展開(頭が良いと認められるように)

就活の場面や、会社で仕事を進める時、話を効率よく展開すると、聞く人も理解が進みます。このような話し方をする人は、「頭の良い人」と評価されることが多いです。

話の展開の一つの形は以下の通りです。

1)まず結論を述べる
2)理由を一般論で述べる
3)具体例で補足する、事例がないときは例え話で具体化する

つまり、結論先行で、整理された話の展開を示し、一般論で知識の豊かさを示し、相手側の同意を得やすくします。さらに、具体例を示すことで、現実味のある話としての安心感を得ます。一例です。

 「今回の志願者XXさんは、採用すべきと思います。理由は、潜在能力の高さです。具体的には、面接時の体験報告中、YYでの工夫を自分で行ったことです。あの発想は、並みの者にはできません。」

 ここで、理由を述べるときには、因果関係をきちんと整理して、述べることが大切です。特に、必要条件と十分条件の識別が大事です。単に必要条件を満たしているだけで、結論を導いてはいけません。上記の議論では、実は以下の言葉が抜けています。

「志願者XXは、他に問題になる点が見当たらないので、能力評価で合否を決めて良いと判定します。」

  これは、話し手と聞き手の間で、情報共有がされていた場合には、省略されるという一例でもあります。なお、一般論を述べるときには、抽象化していると言うことを意識し、現実の世界では、色々な違いが生じていることも考慮すべきです。終身雇用の正社員採用に関しては、将来の成長可能性は重要な評価項目です。しかしながら、経営状況によっては、即戦力の完成度の高い人材を求めることもあります。一般論での議論は、常に現実の状況に照らし合わせて、評価する必要があります。

学生の場合には、教科書で学んだ知識を振り回すことがありますが、教科書の理論は、ある種の理想化された世界で成立するものです。現実の複雑な状況に対し、実際に理論を適用することは、現実をきちんと観察した上で、理論の例外などを考慮しながら、議論を進める必要があります。特にネット上の借り物の議論を振り回したりすると、失敗することが多いですね。